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2020年2月20日 コラム
その文章、正しく伝わっていますか(2)

はたらきかたマニュアルではお役立ち情報のコラム配信をしています。
皆さまに有益な情報をご提供できるようなコンテンツをお送りしていきます。

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せっかく作った手順書やマニュアルが伝わりにくいのは何故でしょうか。
自分の手から離れて独り歩きして欲しかった手順書やマニュアル。
その説明を更にしなくてはならない、といった経験は誰にでもおありではないでしょうか。

その文章、正しく伝わっていますか。
少しのコツで分かりやすさは格段にアップします。

⽂章校正=リライトのTIPSを取り上げる、連載シリーズ第2回をお送りします。
第1回はこちら:その⽂章、正しく伝わっていますか(1)

監修:片山雄次
プロフィール
  • 1980年より、一般消費者向け製品のマニュアルの設計・テクニカルライティングを中心とした業務に従事。
  • 1991年、STC東京支部マニュアルコンテストを実行委員⻑として立ち上げ、1993年までその任に当たる。電子マニュアルを含め日本マニュアルコンテストでの受賞歴多数。
  • ユーザータスクをベースにした本格的な製品内蔵マニュアルの仕組みを開発。2003年、トピックマニュアルの嚆矢として携帯電話に搭載(使いかたナビ)したのを⽪切りに、液晶テレビ・BDレコーダー・デジタルカメラに実装。
  • Excelでテキスト原稿を作成するだけで、HTMLマニュアルやその印刷用pdfをデスクトップ上で完全自動生成するサーバーフリーのシステムを開発し、カーナビやケーブルテレビ端末などのマニュアルで運用中。

1.やや問題がある文章例

次の例題の文章は、やや問題があると思われる文章です。

例題2:
⽬次・各ページの「関連する項⽬」・索引に記載されているページ番号をクリックすると、該当のページへジャンプすることができます。

すんなりと読み進められそうでしょうか。
どこにでもありそうな⽂章ではありますが、
理解するまでに何度か⽂章を読み直すことになりそうではないでしょうか。

実際の⼿順書やマニュアルでもこのようにすんなりと読み進められない⽂章があると、
読み⼿の理解が遅くなります。

すんなりと読み進められない理由は何でしょうか。

2.伝わる文章にリライトするためのステップ

次のステップを踏んで、伝わる文章にリライトしてみましょう。

ステップ1:原文の問題点を「修正ポイント事項」として箇条書きで挙げましょう。
ステップ2:「修正ポイント事項」をクリアした文章をリライト例として考えてみましょう。




前回「その⽂章、正しく伝わっていますか(1)」で⽤いた例題と類似の「修正ポイント事項」を含む例題になっているので、前回をご覧になったかたは「修正ポイント事項」を挙げやくなっているかと思います。


3. 原文の問題点を「修正ポイント事項」として箇条書きで挙げてみよう

例題2(原文):
⽬次・各ページの「関連する項⽬」・索引に記載されているページ番号をクリックすると、該当のページへジャンプすることができます。

以下は、監修講師が主催している初心者向けリライト講座の受講メンバー(非ライター)から挙がった「修正ポイント事項」です。

「ページ番号が記載されている個所の説明を細かく書きすぎて、ページ番号が何を指しているのか分かりづらくなっている」

「『できる』と⾔うには、少々ありふれた機能かも・・・(ただのリンクなので)」

「⽬的(やりたいこと)とその操作を逆に配置した⽅が分かりやすいと感じました。」

このように、メンバーからもさまざまな意見が出ました。
いかがでしょうか。

4.「修正ポイント事項」解答と解説

例題2(原文):
⽬次・各ページの「関連する項⽬」・索引に記載されているページ番号をクリックすると、該当のページへジャンプすることができます。

ステップ1:「修正ポイント事項」解答例になります。

  • 係り受けが曖昧で、何と何が並列関係なのか特定できない。
    並列関係にあると解釈できるパターンが複数あり、読み⼿に迷いが⽣まれたり、伝え⼿の意図と異なってしまったりする可能性があります。

並列関係にあると解釈できるパターンは、下記の4パターンあります。

並列関係にあると解釈できるパターン

語句を並列するときに⼀般的なルール

  • 並列のルール1 並列するもの同⼠の形を揃える
  • 並列のルール2 並列の記号は
    ○○・◎◎:名詞または短い語句のときは中黒(中点)
    ○○○○○○、◎◎◎◎:上記以外は読点
    ○○○○や◎◎◎ ○○○○または◎◎◎ など:必要に応じて接続助詞を使う

例えば

⽬次「関連する項⽬」索引に記載されている〜〜

の場合であれば、短い語句同⼠で並列関係がはっきりしているためOK(○○・◎◎のかたち)。
※ 括弧「」で囲むことで「関連する項⽬」は1語と認識されます。

■「関連する項⽬」という語の問題点
⼀般的に認知された語ではないため、修飾語が必要。
「各ページの」という説明の修飾語がつきます。

■並列関係の誤認を防ぐために語順を変える

⽬次・各ページの「関連する項⽬」・索引に記載されている〜〜

とした場合、

⽬次各ページの〜〜

のような並列関係が⽣じてしまいます。並列関係が曖昧になるのは、並列するもの同⼠の形が違う場合に起こりがちです。これを避けるには、語順を変えて

各ページの「関連する項⽬」⽬次索引に記載されている〜〜

とすれば、⼀般的に⽬次は各ページにはないということは明らかなため、各ページは関連情報にだけかかり、「関連する項⽬」・⽬次・索引の3者は並列関係となります。
このように、名詞と句を並べる場合は、句を先に置くと係り受けの混乱がなくなります。

5.リライト例解答と解説

リライトには、必ずやらないと解釈に迷いが⽣まれたり意味を読み解くことができなかったりといったことが起こる、マスト(must)の修正と、より読み解きやすくなるためのベター(better)の修正があります。

例題2(原文):
⽬次・各ページの「関連する項⽬」・索引に記載されているページ番号をクリックすると、該当のページへジャンプすることができます。

  • 係り受けが曖昧で、すんなり読んでいけない(マストの修正)。

マストの修正

「⽬次」と「索引に記載されているページ番号」が並列関係になることがないように語を補うと、さらに誤解の起こりにくい⽂になります(ベターの修正)。

修正例:
各ページの「関連する項⽬」や⽬次、索引のそれぞれに記載されているページ番号をクリックすると、該当のページへジャンプすることができます。

「それぞれ」を⼊れることで「各ページの『関連する項⽬』」・「⽬次」・「索引」の3つの句の並列関係も、よりクリアになりました。

せっかく作る手順書やマニュアル。少しのコツで分かりやすさは格段にアップすることがご理解いただけたのではないでしょうか。

この連載はシリーズでお届けしていきます。次回をお楽しみに。

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第1回:その⽂章、正しく伝わっていますか(1)

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